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執筆者の写真Kentaro Murakami

ソーラー発電で節足動物の生息環境創出

更新日:2023年2月24日

面白い論文を読んだのでご紹介。

最近,都市に増えている(?)ソーラーパーキング・・・

・・・と言われて,全くピンと来なかったので,

検索してみたら,こんな感じのやつだそうです。



これ,おそらく太陽光発電が進んでいる国では,もっと増えているものと思われますが,その発電パネルの蓋(ソーラーパーキングキャノピー)の下が生物の生息場所になるかを調べた研究がありました。


Armstrong, J. H. et al. (2020) Urban renewable energy and ecosystems: integrating vegetation with ground-mounted solar arrays increases arthropod abundance of key functional groups. Urban Ecosystems, 24: 621–631.


具体的には,キャノピーの下またはすぐ隣に3m×3m以上の植生があるものを"vegetated"として,キャノピーの下に植生がなく最も近い植生から15m以上離れているものを"isolated"として節足動物の数を比較したところ,個体数では"vegetated"のほうが43%多かった。また,detritivores(腐食動物:死んだ植物を食べる)やparasitoids(捕食寄生種?寄生バチとか?)も多いなどを明らかにした研究です。


ちなみに「設置されたソーラーパネルが日陰を作って,微気候が変化した結果,節足動物の生息地になる」という研究は既にあるんだそうで,ソーラーパネルの駐車場を普及させるときにパネル下に植生がある状況を作り出したら,生物多様性保全に貢献できるという解釈ができると思います。


エネルギー関連の環境問題と生物多様性の問題は別個にとらえられることが多いんですが,どうせだったら,一緒にやれるといいですよね。


上記の論文は大学内のネットワークからなら,全文読むことができます。

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