本州の神社林は,古くから林床植物の生育場所としての研究が複数あるのですが,北海道では,歴史が浅いという認識からか,あまり研究されていません。
自然林の残存・断片という要素が弱いというのは,確かにそうかもしれません。
また,人工的に植えたものが多数派という感じもするので,そのせいであまり注目されてこなかったのかもしれません。
北海道は立派な原始の自然が残されているので,身近な自然にあまり目が配られていないという背景もあるように思います。
今回,都市緑地の植物に関する研究がしたいという学生がいたので,その学生と一緒に函館平野の神社林を巡って,春植物の生育環境調査を行いました。巡ってみると,それほど有名でない神社林も,けっこう良い環境の場所が残されていて,「春植物探し」の楽しいフィールドワークができました。
一番下の写真は有名なオオバナノエンレイソウで,都市部に近い神社林でも観察することができましたが,個体数は多くないようです。都市林も貴重な生育環境なので,保全に寄与できるような研究にしたいですね。
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