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執筆者の写真Kentaro Murakami

胞子を食べる鳥、ネズミ、ナメクジ

備忘録。


シダの胞子を食べるネズミ。

Arosa, M. L., Ramos, J. A., Quitanilla, L. G., Brown, D. (2011) First report of fern (Culcita macrocarpa) spore consumption by a small mammal (Apodemus sylvaticus). Mammalian Biology, 75(2): 115-121.


: イベリア半島での研究。Culcita macrocarpaという絶滅危惧の木生シダの葉をモリアカネズミというげっ歯類が食べるのだが、その糞の中に混じった胞子が発芽するかの実験。低い確率だが発芽するという結論で、このシダの散布にモリアカネズミが一程度、貢献しているものと考えられるとのこと。


シダの胞子を食べる鳥。

Arosa, M. L., Ramos, J. A., Valkenburg, T., Ceia, R., Laborda, H., Quitanilla, L. G. and Heleno, R. (2009) . Fern feeding ecology of the Azores Bullfinch Pyrrhula murina: The selection of fern species and the influence of nutritional composition in fern choice. Ardeola, 56(1): 71-84.


: Woodwardia radicansなどのシダの胞子を食べることが報告されている。葉ごと食べるが、より栄養価の高い胞子がついているほうを選択的に食べていたという報告のよう。


シダの胞子を食べるナメクジ。

Boch, S., Berlinger, M., Fischer, M., Knop, E., Nentwig, W., Turke, M. and Prati, D. (2013) Fern and bryophyte endozoochory by slugs. Oecologia, 172(3): 817-822.


: タイトル通り、陸産貝類がコケとシダの胞子を食べて、なおかつ散布者になるかの実験をした研究。コケもシダもナメクジの糞から50%以上が発芽した。よって、ナメクジはシダとコケの胞子散布者である。ナメクジの糞は粘着性があるため、適切な基質に胞子を付着させるのに役立つと考えられる。糞の栄養素を使って生長を促進させるかもしれないとのこと。発芽率はナメクジの種類によって異なっており、Limax cinereonigerよりもArion属のほうが発芽率が高い。


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