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執筆者の写真Kentaro Murakami

重慶の壁植生

更新日:2020年1月12日

重慶の壁植生に関する論文が出ていました。

Huang, L. et al. (2019) Masonry walls as sieve of urban plant assemblages and refugia of native species in Chongqing, China. Landscape and Urban Planning, 191: 103620.


概要:

289箇所の石積みから205種(78科164属)の植物種を記録した。壁と近くの地上植物群落の類似度は低い。シダ植物をはじめとした撹乱耐性が低い在来種を保護するために、壁が重要な役割を果たす。壁は種間競争に弱いシダのレフュージアではないかとも書いてある。


シダのメモ:

壁選好種として9種がリスティングされている。

Asplenium pekinense(トキワトラノオ)が78箇所で出現し最多。

その他、オオクリハラン、コヒトツバ、エビガラシダ、ホラシノブ、ハカマウラボシ、オオアオガネシダ、ヒメウラジロ、ホシダがリストに載っていた。


コヒトツバは日本にはないようだが、他の種はすべて日本でも自生しており、ホラシノブ、ホシダは普通種。

トキワトラノオもよく石垣で記録されている種で地方によっては絶滅危惧種である。。

ヒメウラジロ、エビガラシダは環境省絶滅危惧II類で、都道府県レベルではあちこちで絶滅危惧種になっている。

オオクリハラン、ハカマウラボシ、オオアオガネシダはあまり聞かない種だが、分布の限界に近いのだろう。

オオクリハランは絶滅危惧II類、ハカマウラボシは絶滅危惧I類になっていた。


付録にはより多くの種名があり、モエジマシダ、ヤブソテツ、イノモトソウ、フモトカグマ、イヌケホシダ、ベニシダ、カニクサ、ホウライシダ、トラノオシダ、ワラビ、ヒメカナワラビなど(種名の抜き出しは見過ごしているのがありそう)。


日本との共通種も多いが、イシカグマじゃなくてフモトカグマ?

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